DX人材リスキリング支援事業
お申し込み
製造クイント株式会社
コネクタの製造から検査、冶具の設計・製作を手がける事業会社。本社は町田市。従業員数は35名。
▲写真左より、中島永遠さん(業務効率化コース参加)、吉川美加子さん(業務効率化コース参加)、福泉健介さん(業務効率化コース参加)
取り組みの経緯
当社はコネクタの製造を主とする事業を展開しており、コネクタの試作から量産品の組み立てなどを行っています。社内で運用する生産指示書や日報などを紙で運用していたことに課題がありました。二重転記や記載内容の確認作業などの業務が膨大になり、一方で入力ミスも起こっていました。そのため、なんとか紙をデジタルに変えたいと考えており、以前からDXの重要性を認識していました。さまざまなサービスや他企業の導入事例を情報収集していましたが、デジタルに対する基礎知識がなく、何を導入すれば解決するのかわからないという状況でした。そんな時、本プログラムを知り、学習意欲のある社員とともに申し込みました。
プログラムでは、DXスキル診断を最初に受検するのですが、参加した社員は全員初心者レベルと判定されました。学習計画書ではそれぞれのレベルに合わせた形でラーニングパスが設定されており、レベル別に学びやすくなっていました。また、Udemyはオンラインで受講できるうえ、講座が細切れになっており、業務の合間でも学びやすかったです。オフラインで会場に行って5時間の研修など、従来の形では業務との兼ね合いでなかなか時間が捻出しにくかったので、学習が進めやすかったと思います。本プログラムの参加目的は「学習」ではなく、「実務に活かす」ことと捉えていましたので、学習したらとにかく手を動かすようにしていました。基本的な表計算ツールのショートカットや関数などの講座も見て、学んだらすぐに日常業務で利用することを意識していました。
当社の注文書のほとんどがメール添付で送付されてきます。今まではメールの振り分け機能を使って注文のみのフォルダに振り分けられるようにしていましたが、注文が来た時にRPAツールを起動し、以下の対応をできるようにしました。RPAはUdemyのラーニングパスの中に初心者から学べるものがあったので、学習し構築しました。
1. メールに添付されている注文書の中身を確認し振り分け
2. 表計算ツールに転記
3. 2名の担当者に転記された表計算ツールと注文書(PDF)をメールで送付
RPAを構築したことでメールを開封する時間が削減できました。大きな時間短縮ではないですが、面倒に感じる作業時間が削減されたことでどの担当者にも満足してもらえる結果になりました。
当社は1つの作業の占める割合が少なく、さまざまな作業の積み重ねが多いため、システム化は人件費以上に費用がかかってしまいますし、自動化を外部に依頼すると外部に理解してもらう手間もかかります。自社の社員で構築するシステムだと、構築後もツールに慣れればなれるほど、改善できる点がみつかり気軽に改善できます。外注ではなく社員がツールの利用方法を学習し、ツールを内製したからこそ当社に適した形で自動化を進めていけていると感じています。
現在は、Pythonを学習して、日報集計ツールを作っています。2022年11月中旬から着手し、12月は実際に試して集計してみたところ1カ月分の集計を数時間短縮できるようになりました。会社の課題は全て解決したわけではないので、まだまだ解決しなければいけない課題が多いです。今後も学習を続け、社員とともに着実に解決していきたいと考えています。