印刷株式会社アイワコピー
1987年創業。東京都足立区に本店、板橋区に店舗があるコピー、プリント、印刷の専門店。建築図面のプリント、製本、スキャンデータ化に強みを持つ。
▲写真左より多賀友昭さん(データを活用した営業力向上コース参加)、藤本哲平さん、川久保昌彦さん(集客・販路拡大コース参加)
弊社は建設用図面の出力やコピー、製本などをメイン事業とする会社です。店頭にはセルフコピー機を設置し、地域のお客様にもご利用いただいています。社内に営業部門と生産部門があり、約20名が働いています。 印刷・製本はお客様のご希望に応じて完全オーダーメードで行います。紙の種類やページ数、綴じ方、印刷部数がそれぞれ異なるので、これらの情報を書いた見積書が重要になります。これまでは見積書を表計算ソフトで作成し、社内のファイルサーバーで管理していましたが、複数の担当者がそれぞれデータを作成していたため、進捗状況がわかりにくい状況でした。また、見積書の顧客情報や数値データを、別の集計表に転記する作業も発生していました。こうしたムダな作業をなくすため、データを一元化して管理したいと考えたのが、このプログラムに参加した理由です。 加えて、「メモ中心の情報共有のやり方を見直し、ペーパーレス化を図りたい」「EC事業を活性化させたい」「合理的な営業スタイルを取り入れたい」などの狙いもあり、社内から私のほかに2名が「集客・販路拡大コース」「データを活用した営業力向上コース」に参加しました。
オンライン学習には就寝前の1時間と通勤時間を充てました。まず必修講座を視聴してDXの基本的な考え方について理解を深めたうえで、顧客情報や経営データを収集・分析するBIツールや、パソコン上の作業を自動化するRPAについて学びました。これまでは表計算ソフトで売上のグラフなどをつくっていたのですが、BIツールを使うことで、顧客ごとのデータを抽出し、売上推移の可視化ができるようになりました。これにより会議の場でデータに基づいた議論が可能になり、会議の質が上がっています。また、あらためてデータを可視化したことで、お客様の注文の周期が把握でき、次の注文時期を予測できるようにもなりました。 実践ゼミでは、社内の業務システムの構築に取り組みました。具体的には、現在の業務フローを書き出し、理想の業務フローに近づけるにはどうすればいいのかを検討しました。そして、それを実現するためのツールを講師の方に紹介していただき、自分でツールの使い方を学びました。実際にシステムを刷新するには予算も時間もかかるのですが、まずは部分的に使えるツールを試してみるなど、少しずつ業務に取り入れています。
プログラムの学びは、すでに効率化につながっています。RPAを使って1ファイルに入力した顧客データが他ファイルに自動転記できるようになり、1時間程度かけていた作業時間を50%削減できました。デジタルスキルだけでなく、効率的な会議術を学んだことで、社内の会議時間の短縮も実現しています。加えて、他コースで学んだ社員の知識も会社の力になっています。ホームページへのアクセス数は前年の倍以上になり、データに基づく営業スタイルも会社に浸透してきています。 なにより大きな成果は、会社のDXに対する姿勢が変化したことです。受講した3人が会議でそれぞれの学びと実践を報告した結果、「DXはやりたい人がやればいい」という雰囲気から「全体で進めていかないといけない」という考えに変わってきています。先日もデジタル化したい業務について、オンラインアンケートを取るなどして、DXを自分事化してもらえる工夫を設けました。今後も社外の方に「アイワコピーは変わった」と感じていただけるよう、全員が協力してDXを進めていきます。