健康経営支援事業株式会社フィスメック
1990年設立。ストレスチェック、サーベイ、カウンセリング、研修、職場復帰支援と、企業のメンタルヘルス対策を支えるサービスを広く提供する。
▲左から樺沢敏紀さん(経営戦略コース参加)、林泰輔さん、尾崎直広さん(集客・販路拡大コース参加)
当社はストレスチェック、カウンセリング、セミナーなど、メンタルヘルスに関するサービスを提供する企業です。ストレスチェックが義務化されて以降、新規のお客様からお問い合わせをいただく形で多くの商談を成約させてきました。しかし、義務化から10年経ち、問い合わせは減少。さらに、コロナ禍でダイレクトメールや訪問営業をはじめとした営業手法もとりにくくなり、新規の見込み客の獲得が伸び悩む状況に陥っていました。 既存のお客様のリピートや紹介、ストレスチェック以外のサービスの需要もあり、一定の売上はありました。しかし、この状況もいつまで続くかわかりません。既存のお客様とのパイプがあるうちに、見込み客増加の施策を打つ必要がありました。ところが、日々の顧客対応に追われていたことが原因で、既存の営業手法の“何が”問題かを深掘りできず、新しい施策を打つにも袋小路に入ったような感覚で、完全な手探り状態でした。 そうしたなかで、今回の事業をSNSの広告で見つけました。以前から顧客情報管理サービスは導入済みだったものの、データの活用ができていない状況でしたので、一から学ばせていただくつもりで事業に参加しました。
事業では、データの分析に向き合ううえでの心構えから学習しました。Udemyの講師の方いわく、売上や利益をはじめ、ゴールとなる数字だけを見ても、取るべき施策は見えてこない。例えば営業プロセスごとの架電数や失注率など、データを細かく分解し続けて、初めて具体的なアクションを起こす種が見つかる、とのこと。目から鱗の発想で、感銘を受けました。 実際に営業プロセスや営業ツールごとのデータを洗い出すと、興味深いことがわかりました。例えば、見込み客の増加を目的に、近年セミナーとホワイトペーパーの展開に注力しているのですが、多大な工数をかけてやっと一回開催できるセミナーと、負荷なく複数用意できるホワイトペーパーで、費用対効果に大きな差はありませんでした。また、セミナーに参加しているお客様は、かなりの割合でホワイトペーパーも閲覧していました。「セミナーは参加する側も時間がかかる」「ホワイトペーパーは好きなタイミングで自由に目を通せる」点が影響していると考えられました。新しい営業手法を検討するなら、電子書籍のようなダウンロードコンテンツを拡充していくのが一つの手だと感じられました。
今回の事業を通じて、特にホワイトペーパーの有効性はよく認識できました。その他の営業手法についても、どういったお客様に響くのか、逆にどういったお客様には響かないのか、理由はなぜか、回数を重ねた場合はどうか、様々な視点からデータを分析し、会社として注力すべき施策を見つけていきたいです。 学習した内容は、3名の参加者間ではもちろん、実践ゼミで作成した課題を取締役会やチームの会議でも提出したり、心に残った講師の話を広めたり、Udemyの講座を共有したりと、縦・横の両軸で全社に展開。これまで「次はセミナーに力を入れた方がいい」と主観的な意見が多かった社内の議論が、データに基づいたエビデンスを重視する向きへと変わっています。 また、事業と並行して、マーケティングオートメーションツールも導入しました。今回学んだデータに向き合う姿勢や知識を生かせば、無駄なく活用できると確信しています。新たなツールも生かし、よりシステマティックで効果的な営業活動を展開していきたいです。